《kiuの原料にまつわること・人・風土》
祈雨原料図鑑ではkiuが選んだ原料と出雲の風土についてご紹介していきます。
第1回目はkiuのキー成分である真菰とやまももについて古代出雲薬草探究会の前田みのりさんにお話しをお伺いしました。
〇真菰について
出雲で6月1日に行われる凉殿祭は通称真菰神事と呼ばれ、山の神を迎える神事です。
神様がお通りになる道には砂と真菰が敷かれ、参拝者はその真菰を持ち帰り、
お風呂に入れて入浴し無病息災を願うというしきたりがあります。
また、しめ縄の多くは稲わらで出来ていますが、出雲大社本殿と瑞垣内摂社のしめ縄は真菰で出来ています。
お釈迦様が真菰の葉のムシロに病人を寝かせて病気を治したとされるほど
浄化作用が高く、近年の研究で新たな薬効が発見されています。
その成分もとても優秀で、食物繊維やミネラルが豊富です。田んぼや川の水を浄化する作用があり、
葉をお茶にして飲むと利尿作用があるので身体を浄化できると言えるかもしれません。
〇やまももについて
「古事記」には、日本の土地や木々を生んだ神様 イザナミノミコトが火の神様を生んでなくなってしまい、
その夫 イザナギノミコトは死者の国の妻に会いに行くも、無残な姿に逃げ出してしまいます。
怒ったイザナミノミコトの追っ手をさえぎるためにタケノコ、ブドウを使うのですが逃れることはできません。
しかし最後に投げたモモのおかげで追っ手は退散します。
その功績から、そのモモにオオカムズミという名前が付き、神様になりました、と記載されています。
島根県出雲市多伎町には古くからやまももが自生しています。
また多伎町にある多伎藝神社にはオオカムズミノミコトが祀られ、県内にはそこ一か所にしかありません。
そういった事柄から、そのモモはやまももではないかという説があります。
やまももの実には疲労回復に必要なカリウムや、抗酸化作用を促すポリフェノールも豊富に含まれています。
出雲國風土記には出雲に自生していた草木100種以上が記され、そのうち薬草が半分以上を占めていました。
それらの植物は特別に栽培されるものではなく現在においても身近にあるものがほとんどです。
kiuに使われている真菰とやまももも出雲國風土記に記載されています。
出雲の人たちが育んできた古代の知恵を未来に繋げていくためにも、
kiuはこの土地の恵みを使って安心して使うことのできる優しいスキンケアを作っていきます。
古代出雲薬草探究会とは...
『温故知新』をテーマに、古代から伝わる薬草について様々な視点から探究し、知識を深めるための会。
出雲を拠点に薬草の勉強会やワークショップを開催しています。